'05 February ●Alternative rock'n soul-MAROON 5

MAROON 5
ある程度トシをとってくると新しい、しかも若いバンドのファンになるなんてことは、本当に少なくなるものだ。最近のバンドは・・とか、日本人のバンドなんて・・といった「偏見」は僕に限っていえば持っていないつもりだけど、ときどき自信がなくなるし、60〜70年代のROCKの百花繚乱期の洗礼を受けてしまった僕らはめったなものでは満足しない身体になってしまっているといえば、そうかもしれない。
とはいってもごく稀にアンテナに触れてくるものを発見したりすることもある。そんなときは「僕は頑固なオジサンになっていなかったんだ。あぁよかった」とホッと胸をなでおろす。

さて、このMAROON 5、えび茶色の5人(?)という変な名前のバンドもそんなごくごく稀なバンドのひとつで、つい先日「出会い」を果たしたばかりだ。
ある日、たまたまチャンネルを合わせたMTVで偶然見たのが「Sunday Morning」のクリップなのだが、ヴォーカルがソウルフルで力強くグルーヴ感もあって、いっぺんに気に入ってしまった。
僕ははじめイギリスのバンドかと思った、というのも初期のWHOやストーンズをおもわせるようなファッションだったし、そのサウンドでまず思い出したのがジャミロクワイだったからなのだが、反してLAのバンドだったのだ。
詳しいプロフィールは後で紹介するとして、彼らのサウンドは所謂オルタナティブ・ロックに属するのだろうが、そこには強いソウルの影響が感じられる。曲によってはスティービー・ワンダーを彷彿とさせるものもある。(ジャミロクワイは”スティービー・クローン”と呼ばれるほどなのでそこに繋がるのは当然か)

そんな頃またまた偶然にTVからMAROON 5の曲が?!それはノエビア化粧品のTV-CMだった。「Shi Will Be Loved」がCMに使用されていたのだ。映画「スパイダーマン2」にも曲(Woman)を提供しているし、僕にとっては新しい発見だったMAROON 5は意外や‘売れて’いたのだ。
しかしR&Bという名の打ち込み全盛の今の音楽シーンにあって、MAROON 5のようなバンドがセールスを伸ばしていると言うのは少し意外でもあるし、嬉しいことでもある。
ソウル、R&B、フォークなどを練りこんで自分たちのロックを作り上げたバンドが若い人たちの心に届くということは、ロックが健在であることを証明していることになるからだ。

≪Profile≫
メンバーはAdam Levin-Vocals/Guitar,Ryan Dusick-Drums/Vocals,Jesse Carmichel-Keybords/Vocals,James Valentine-Guitar,Mickey Madden-Bass の5人

ジュニア・ハイスクール時代からのスクールメイツであったMaroon 5(Kara's Flowersというバンド名を名乗っていた)は、1995年9月16日にLAのThe Whiskyで初めて聴衆の前に姿をあらわした。ポップ、パンク、そしてロック・ミュージックを折衷してミックスした彼らの演奏に、ほどなく多くの人々が集まるようになる。オーディエンスたちを熱中させたのは、ステージ上でのバンドのパワフルなエネルギーだった。
そして97年の夏までにはReprise Recordsからデビュー・アルバム「The Fourth World」をリリースし、すぐにReel Big FishやGoldfingerといったバンドたちとツアーを始めたが、その後99年になるとReprise Recordsを離れ、彼らは新しい音楽を模索し始める。飽くなき探求心であらゆる音楽を追求し、ギターにジェイムスを加え、その結果生み出したロックとR&B、そしてソウルのユニークな融合は、今Maroon 5の音楽のスタイルを明確に表現している。
Weezer、Nada Surfといったオルタナティヴ・ロック・バンドとしてのルーツから、Maroon 5は経験を積み、進化を遂げてきた。R&Bとフォークの影響は次第にオルタナティヴ・ロックという布地に織り込まれ、それがこのバンドの基礎となって行く。アルバムのファースト・シングルである「ディス・ラヴ」は、「サンデー・モーニング」や「シークレット」、「ノット・カミング・ホーム」といった楽曲同様、バンドのソウル・ミュージックへの深い関心がサウンドに反映されている。

多くのメジャー・レーベルの取締役たちの前でショーケースを行った後、Maroon 5が契約の相手として選んだのは、NYをベースに新たに設立されたインディ−・レーベル、Octone Recordsであった。Octone Recordsは大手のBMGのなかに配置されたレーベルであり、クライヴ・デイヴィスおよびJレコーズとのジョイント・ヴェンチャーとしての取引もあった。バンドはプロデューサーでありミキサーのMatt Wallace(トレイン、Blues Traveler、サード・アイ・ブラインド、フェイス・ノー・モア)と共に、LAのRumbo Recordersで「ソングス・アバウト・ジェーン」をレコーディング。
今、LAをベースに活躍するMaroon 5は、El Rey、ハウス・オブ・ブルーズ、ヴァイパー・ルームといった名高いクラブで、ソールド・アウト・ライヴを定期的に行っている。またミッシェル・ブランチやEvan and Jaron、ニッカ・コスタ、ジョン・メイヤー、Sugar Rayらのサポート・アクトもすでに務めている。(BMGジャパン公式ページより抜粋引用)


≪Discography≫

Songs About Jane
Octone
2002
1.HARDER TO BREATH
2.THIS LOVE
3.SHIVER
4.SHE WILL BE LOVED
5.TANGLED
6.THE SUN
7.MUST GET OUT
8.SUNDAY MORNING
9.SECRET
10.THROUGH WITH YOU
11.NOT COMING HOME
12.SWEETEST GOODBYE
bonus track.RAGDOLL
前身のインディーバンドKara’s Flowersの活動を休止した後、アダム・レヴァインはニューヨークのヒップホップシーンの中に身を置き、新しい音を模索した。その結果生まれたのがMAROON5であり、このデビューアルバムである。
ファンキーで哀愁をおびた「Shiver」、キャッチーでソウルフルな「Harder to Breath」、リリカルな「Must Get Out」。この魅力はレヴァインの堂々たるヴォーカルの賜物だ。

Songs About Jane-Special Edition
BMG ファンハウス
2004
2002年リリースの大ヒット・アルバムに「ディス・ラヴ」リミックス、「ディス・ラヴ」「ハーダー・トゥ・プリーズ」アコースティック・ライブを追加収録、スリップケース仕様となった2004年の初来日記念仕様盤。

1.22.03 Acoustic
BMGファンハウス
2004
2004年来日公演記念EP。アコースティック・ライヴの模様を収録。

【BACK NUMBER】

●TVから'70の風が吹いてくる('04 May)
●トータス松本の『TRAVELLER』を聴こう!('04 June)
●破壊と再構築-AEROSMITH『HONKIN' ON BO BO』 ('04 July)
●Summertime あれこれ ('04 August)
●CMが'文化'だった頃・・資生堂『音椿』('04 September)
●これぞお祭り音楽-Black Bottom Brass Band('04 October)
●美空ひばり JAZZを歌う('04 November)
●フレンチポップスブーム?('04 December)
●最後のロック・フロンティア-The Eagles('05 January)
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