'04 August ●Summertime あれこれ
夏は暑い。それはそうだが、なにもここまで暑くなくてもいいんじゃないかと思うくらい、今年は梅雨明け前から(そもそも梅雨入りしていたかどうかも疑わしい)猛暑が続く。暑い暑いとTVを眺めていたら、さらに気温が5℃くらい上昇しそうな歌が聞こえてきた。
Janis Joplinが歌う「Summertime」、ブリヂストン ポテンザのTVCMだった。
そうだ、ジャニスのSummertimeを聴かないと夏が来ないと言った友人がいたっけ。これほど暑い夏に合う曲もないなあなどと思いながら、久しぶりに「Cheap Thrills」を引っ張り出して聴いてみた。うーん、暑い。

「Summertime」はガーシュインが1935年、黒人だけのミュージカル「ポギーとベス」のために作った曲だが、今ではスタンダード中のスタンダード、それこそ世界中のシンガーが歌う最も有名な曲のひとつとなっている。
しかしながらか、それゆえか、マイルスの名演などはあるものの、歌となるとどれもアメリカンクラッシック調の間延びした印象のものが多い中、このジャニスの「Summertime」は素晴らしいロッカバラード。ROCK史上に輝く名曲だ。

ジャニスの「Summertime」を聴いて、暑い夏にぴったりの曲がもうひとつあったことを思い出した。
こちらは名演揃いの「Summertime Blues」だ。(続く↓)

Janis Joplin


The Who
「Summertime Blues」もBeach Boysなど多くのアーチストにカヴァーされているが、真っ先に浮かぶのはやはり THE WHO だろう。
先日横浜で行われた大規模なROCKイベントで初来日を果たしたブリティッシュ・ロックの雄、The Who。デビューから実に40年を経ての初来日はROCKファンにとってはストーンズ初来日以来の大事件!とはいえ日本ではいまひとつメジャーになりきれないようで、それほどの騒ぎにもならなかったし、なにせ、メンバーの半分が死んじゃってるし、コンサートは盛り上がるのか?とちょっと心配だったのだが、東京近郊在住のWHOファンが全員終結したのか(もちろん僕も駆けつけた)大変な盛り上がりで嬉しくなった。
しかしひとつ大きな不満があった。それは「Summertime Blues」を演奏しなかったことだ。死にそうに暑かったあの日にこれほどふさわしい曲はなかったのに!

「Summertime Blues」は50年代後半、ロックンロール草創期に活躍したエディ・コクランの曲だが、Whoのカヴァーで一気に有名になったと言っていいだろう。
胸がわくわくするようなあのイントロ!「夏が来た!」と思わせてくれる一曲だ。
この「Summertime Blues」は我が日本にもナイスなヴァージョンがある。
その筆頭が憂歌団。言わずと知れたワンアンドオンリーのブルースバンドだ。日本語で歌う歌詞は暑いが、サウンドはのんびり、いつものアコースティックでスローなナンバー。(『SECOND HAND』1976)
ブルージーで、レイジー。言うことなしだ。

そしてもうひとつ、今や知る人ぞ知るというべきか、子供ばんどの「サマータイムブルース」もなかなかいい。(『We Love 子供ばんど』1980)子供ばんどはJICKこと、最近はキャスター、俳優(?)として活躍しているうじきつよし率いるロックバンド(1980-1988)。アフロヘアの頭にアンプを乗せて走り回っていた姿が懐かしい。
ミ〜ンミ〜ン(セミの声)「あついなぁ」で始まる子供ばんどヴァージョンも夏を暑くする点では負けていない。

【BACK NUMBER】

●TVから'70の風が吹いてくる('04 May)
●トータス松本の『TRAVELLER』を聴こう!('04 June)
●破壊と再構築-AEROSMITH『HONKIN' ON BO BO』 ('04 July)
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